倉山満『保守とネトウヨの近現代史』(扶桑社新書)を読了。
本書は、「はじめに」でも書かれているように、”保守業界”の内部の実情を知る著者(倉山氏)が戦後の「保守」「ネトウヨ」の世界を解説するといった内容だ。
個人的には特に目新しい内容はなく、まあそういう世界なんだろうなと思ったが、一つだけ異論がある。引用する。
チャンネル桜はかつてはともかく、現在では「保守」業界の最大手のインターネットチャンネルでも何でもない。最古参、最老舗かもしれないが、もはや二番手三番手に転落している存在にすぎない。現在、インターネットで「保守」的傾向の強い番組を見る層で、『虎ノ門ニュース』よりチャンネル桜を格上にする人間は一人もいない。
倉山満『保守とネトウヨの近現代史』(扶桑社新書、2020年、p132-133
私は、『チャンネル桜』も『虎ノ門ニュース』もよく見る。確かにチャンネル桜よりも虎ノ門ニュースのほうが扱うテーマや内容もわかりやすい。
ただ、扱うテーマの独自性に関しては『チャンネル桜』に軍配が上がる。
最近でいえば、「札幌国際大学における不正な中国人留学生大量受け入れ問題」だ。
北海道のメディアでは報道されているようだが、全国メディア、ネットメディアでは、『チャンネル桜』以外では大きく取り上げていない。
また、
チャンネル桜は動画の再生回数とチャンネル登録者数にこだわっている。それだけなら、YouTuberのKAZUYAが個人で運営している『KAZUYA』が個人で運営している『KAZUYAチャンネル』は、指標によっては『虎ノ門ニュース』すら凌駕する。
倉山満『保守とネトウヨの近現代史』(扶桑社新書、2020年、p133
というが、動画の再生回数とチャンネル登録者数によりこだわっているのは『虎ノ門ニュース』や『KAZUAYチャンネル』であろう。
『KAZUYAチャンネル』が取り上げているテーマは一般的なものばかりで、独自性はまったくない。
もちろん、札幌国際大学の問題も取り上げていない。
情報の独自性以外は、『虎ノ門ニュース』に軍配が上がることは否定しないが、『チャンネル桜』も決して侮れないネットメディアである。
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