今年発売したもので、面白かった本を紹介する。
・女帝
小池百合子都知事のカイロ大学主席卒業疑惑を暴いた労作。
匿名の証言が多いという批判もあるが、小池百合子がエジプト留学していた際の同居人の話などは説得力がある。
「事実は小説より奇なり」を体現したノンフィクションの金字塔。
これは読んで損なし。
・闇の脳科学
脳の深部に電極を埋め込み、刺激を与え、精神疾患を治そうとする「脳深部刺激療法」を生み出した、アメリカの科学者ロバート・ヒースが題材。
当時の1970年代は、一躍時代の寵児となるものの、結局は効果がはっきりとは証明されず、失敗に終わった。
しかし、2020年現在「脳深部刺激療法」はふたたび、注目を集めているという。
精神疾患だけでなく、性犯罪者も矯正できたり、攻撃的で冷酷な兵士も作り出せたりできるのではないかと、アメリカのDARPA(国防高等研究計画局)も研究に乗り出しているとか。
これも名著だ。
・発達障害のウソ
この本は、上2冊に比べれば、圧倒的に知られていないが、隠れた名著である。
・「発達障害は定義がなく、精神科医の主観で決まる」
・「チェックリストのいいかげんさ」
・「小中学生の6.5%が発達障害のウソ」
といった指摘や、
製薬会社からお金を受け取っている発達障害の権威とされる精神科医の実名を告発したりもしている。
本の後半には、精神医療全般の批判もしている。
精神医療全般を批判する本は、内海聡『精神科は今日も、やりたい放題』が有名だが、
タイトルを発達障害に絞った批判本は、類書がないので、とてもタイムリーな本だと思う。
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